再び高度経済成長期は来るのか

昔、1950年代から1970年代を「高度経済成長期」と言っていた。いざなぎ景気という言葉をよく聞いたもんだ。
 
さて衆院選投票を前に新しい資本主義実現会議なるものが開かれているが、昔のいざなぎ景気を夢見るなら絶対無理な話だ。
 
当時の経済成長は終戦後の復興を目指す大目標があったから特需が発生して必然的に生活が豊かになっていった。
 
当時の贅沢と言えば、風邪を引かないとバナナが食べられない時代だった。
 
それから卵だけは鶏を飼っていたので食べられたが、他のおかずは缶詰か漬物くらいだった。
 
これと比べたら、今は全く違う飽食の時代なのだから、当時のような特需は先ず起きないだろう。
 
 
そもそも新しい資本主義のスタートラインは、「分配」の原資を稼ぎ出すために、経済のパイを広げる「成長」の実現ということなのだが、アベノミクス神通力が全く効果が無かったように何年かかるか夢の話にしか聞こえない。
 
大企業が留保して金をため込んでいると言われるが、設備投資に回したくとも経済成長の見込めない飽食時代に無駄な投資に金を突っ込むような社員は1人もいないだろうから溜まっていくだけだし、社員に還元と言ってもその時だけなら不公平感が発生して責任問題となるから、誰も手を付けたくないのだと思う。
 
よく成長戦略という言葉を使うが、その中身が全くないので、どこに生産性の向上が生まれるのか好循環どころか矛盾感を覚えるのである。
 
また最近デジタル技術の言葉も多用されるが、設備をデジタル化するには金がかかるのである。
 
今、マイナンバーカードを保険証に使えるようにしているが、普及が進まないのは端末導入に金がかかるだけで、小規模の医療現場にはメリットを感じないからである。
 
そもそも通信のデジタル化(正式にはディジタル化)は、40年も前から進めてきたものだから今があるので、スマホの始まりは自動車電話からの軽量小型化により生まれたものなので、簡単にデジタル技術が商品化出来るものではないことが読み取れる。
 
今の時代は既にデジタル化されていて目新しい言葉ではない。
 
例えば携帯電話もアナログからディジタルに変わったし、放送局もでデジタル放送にやっと変わったし、インターネットもデジタル化により急速に普及してきたのだから、今さらデジタル化などと言ってる場合ではない。
 
ただ問題がある。デジタル化が進まない理由は、業務が効率化すると人がやる仕事が減ってしまうので、余った人手をどう使うかが課題に上がるのが目に見えるから管理者は逃げ腰になると予想する。
 
それからデジタル化で地方の活性化とあるが、地方の経済は高齢者が担っているようなもんだから、パソコンを使える人がほとんどいない。
 
たまにパソコンを使いこなす人がいるが、もともと企業に勤めていた人が引退して地方で仕事をしているのでそういうことはあるが、知り合いの元課長さんは会社でメールも使えなかったし、今もスマホのメールが使えないといった現実がある。
 
インターネットが始まったころ、情報化時代の始まりを察知した人たちは一斉に情報ビジネスに乗り出したが、それも飽和状態になりビジネスはニッチな世界を探る展開となっていった。
 
その結果、今のインターネットビジネスがあるのであり、すでに社会はデジタル化なのだ。その証拠に電柱には光ファイバーケーブルが何本も張り巡らされている。
 
今からデジタル化だと言っている人たちは、単に使ってこなかっただけのことだから、今さら時代遅れとしか言いようがない。せめてICT化くらい使いたいところだ。
 
そして新型コロナウイルスの自粛生活でひたすらテレワーク推進を行った結果、飲食以外はネット購入が出来てしまうので、ますます街に金が落ちなくなる時代になるだろうと予想する。
 
だから居酒屋やバーなどには常連客が戻るだろうが、会社帰りのサラリーマンは消えただろうし、飲食店も新型コロナ第6派に気遣いが必要なため人数制限があったりで、利益を上げるのも一苦労だと思える。
 
現実を見たときに株でも買っていたほうが収入が増えると考えるから、どんどん貯蓄が増えそうだが、株価も今の世の中を反映しているので、V字回復なんて期待しないほうが良いが、底値拾いで手堅く狙うしかないでしょう。新型コロナ6派で下がることを覚悟しての話だが。
 
 
さてこの冬は燃料危機が来るかもしれないと心配するが、備えは必要だ。
現在の気象は北極圏の周りの寒気帯がいつもより拡がっている感じがするので、寒さは長期にわたって続くと予想するが、今は原油先物価格が85ドルにも高騰しているので、年明けの灯油やガソリンは値上がり価格となるだろうし、電力不足になる可能性だってあるから、この冬は厳しい生活を強いられるかもしれないので、暖房対策は経費の工夫が必要だ。